これから暑い夏を迎えるにあたり、熱中症についてお話ししたいと思います。
熱中症を引き起こす要因として、環境、からだ、行動による要因があげられます。環境要因として、気温や湿度が高く、風が弱く、日差しが強いといったこと以外に、閉め切った室内やエアコンのない部屋などがよく知られています。からだの要因として、高齢者や乳幼児、肥満や持病がある方、栄養状態が悪く、脱水状態である方、二日酔いや寝不足といった体調不良がある方があげられ、行動要因として激しい労働や運動、長時間の屋外作業、水分補給できない状況などがあげられます。
人間の身体は通常、体温が上がっても汗や皮膚温度が上昇することで体温が外へ逃げる仕組みとなっており、体温調整が自然と行われていますが、これら3つの要因が崩れると、汗や皮膚温度で体温が調整できず、体温が上昇し、身体のバランスが破綻することで、熱中症を引き起こしてしまいます。
熱中症を予防するには通気性のよい涼しい服装、日傘や帽子、日陰を利用する、こまめな水分、塩分補給が大切ですが、もし熱中症になってしまった場合どうしたらいいでしょうか。熱中症の症状とは、めまいや立ちくらみ、大量の発汗、筋肉痛や硬直、頭痛や嘔吐などがあげられ、重症になると意識障害をひきおこしてしまいます。熱中症を疑う症状があれば、涼しい場所へ避難し、服をゆるめ、体を冷やしましょう。水分を自力で摂取できるのであれば、水分や塩分、経口補水液などをしっかり摂取し、安静の上、十分な休息をとることが必要です。もし自力で水分が摂取できなかったり、応答がおかしい場合は、すぐに救急車を呼んでください。