これまで便秘症に対する治療や腸内環境改善などについてブログを記載してきました。外来診療を行っていると内服治療で排便状況の改善が思ったようにいかないこともあり、生活習慣の改善や心理的側面への対応の重要性を感じます。そこで今回は便秘症に対する生活習慣の改善について少しお話したいと思います。
ご存じの通り便秘症とは、大腸癌などの器質的疾患が除外され、6ヶ月以上本来排出すべき糞便を十分量かつ快適に排出できない状態のことをいいます。生活習慣の改善としてまっさきにあがる運動療法ですが、運動は便秘リスクを著しく低下させ、便秘型過敏性腸症候群でも運動や腹部マッサージの有効性が言われています。そしてもう一つ大切な食事療法ですが、食物繊維は便量を増加し、排便がスムーズにいくようになると言われています。以前お話したヨーグルトやチーズ、乳酸菌飲料、納豆や漬物などの「プロバイオティックス」を摂取し、腸内環境をよくすることも有用です。水分摂取は便形状改善のためには重要ですが、食事摂取量との兼ね合いもあり、適切に摂取していれば、それ以上増やす必要はないかと思います。
排便の適切な時間は起床時としっかり食事をした後であり、規則正しい食生活と運動に加えて、ストレスをためないよう睡眠を十分にとることで、毎日決まった時間に排便を行う習慣をつけていくことが、便秘症に対しては重要かと思われます。