最近健診などでヘリコバクター・ピロリ菌陽性と診断されて当院に受診される方が多くいらっしゃいます。また電話などでの問い合わせもみられるため、その際の当院のおける対応なども含めてお話ししたいと思います。
一般に健診では血液検査や便検査でヘリコバクター・ピロリ菌感染の診断を行うことが多いと思われます。その他には、通常健診では行いませんが、尿素呼気試験や、内視鏡検査を使用して行う迅速ウレアーゼ法や鏡検法などがあります。いずれの検査方法も偽陽性、偽陰性の可能性があることや保険上の問題から、内視鏡検査を行う必要があります。内視鏡検査を行えば、ピロリ感染が現在感染しているのか、感染していないのか、はたまた過去に感染したことがあるのか判断することが可能です。
ピロリ菌陽性で、内視鏡検査でピロリ菌に感染していると診断されれば、除菌治療を行います。ボノプラザン(タケキャブ)による除菌治療が可能となってから。これまで除菌成功率が70%台であったのが90%以上まで回復し、当院においてもほとんどの患者様にボノプラザンを使用しています。
その後当院では除菌後4週以降に尿素呼気試験で除菌が成功したかどうかを判定しています。尿素呼気試験は内視鏡を使用せず簡単にでき、速やかに結果が判明します。また検査の感度、特異度ともに95%以上と除菌後ではすべての検査方法の中で最も高いといった特性があります。
とういことで今回はここまでで、次回は除菌治療が失敗した場合のことなどを説明してまいりたいと思います。