当院では大腸カメラで大腸ポリープが発見された場合、日帰りで内視鏡を使って大腸ポリープを切除することが可能です。検査時に観察のみ行い、後日大腸ポリープを切除するとか、入院が必要になることは通常ありません。ただしポリープの大きさや形により治療できない場合がありますので、その際は治療可能な総合病院にご紹介させていただいています。またポリープの数があまりに多い場合は、2回に分けて治療することもあります。
大腸ポリープを切除する方法として、今までは高周波電流装置を用い、ポリープにスネアという輪っかをひっかけて、通電して切除する方法がとられてきました。簡単にいうとポリープを「焼いて切る」方法ということになりますが、この場合ポリープ切除後に出血や穿孔(腸に穴があく)などの合併症を起こす可能性が、約1%程度あります。
1㎝以上の大きなポリープの場合は血管を焼き切る必要がありますので、通電してポリープ切除することが望ましいのですが、1㎝未満の小さなポリープを切除する場合、最近では通電せずにポリープを切除する方法(コールドポリペクトミー)が主流になってきています。この治療方法の利点は、ポリープ切除後しばらくしておきる出血のリスクが低く、血をさらさらにする薬(抗血小板薬や抗凝固薬)を飲まれている方や心臓ペースメーカーを留置している方にも安全に治療できることです。
一方で通電しないことできちんとポリープを切除できるのか不安に思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、最近の報告では従来の通電する方法と比較し、完全摘除率は変わらないという報告もあります。
当院ではコールドポリペクトミーも積極的に行っており、症例に応じて、通電するかしないかを使い分けています。
食生活の欧米化や生活習慣病の増加により大腸ポリープやがんが増加しています。このようなリスクのある方や、排便異常(便秘や下痢)、血便などの胃腸症状がある方、また過去に大腸ポリープを指摘されたことがある方は、早期発見のために検査を受けることが望ましいと思われ、一度検査をご検討されてみてはいかがでしょうか。