大腸内視鏡検査は、「検査前の下剤(腸管洗浄剤)を飲むのがきつい」と言われる患者様が多くいらっしゃります。
一般に大腸内視鏡検査で最もよく使われている下剤はモビプレップになります。
モビプレップの飲み方は、検査当日の朝8時頃より1Lを60~90分かけて服用していただきます。だいたいコップ1杯(180ml)あたり、10~15分かけて飲んでいただき、モビプレップを1L服用したら、水またはお茶を約500ml(コップ3杯程度)を30分かけて飲みます。腸管洗浄力が強いものの、便が透明にならなかった場合は、モビプレップコップ2杯につき、水またはお茶1杯を追加で飲むこともできます。
当院でもモビプレップを使用していますが、一方で、検査当日1日で下剤1Lと水500mlも服用できないと言われる方がいらっしゃいます。その際はピコプレップという下剤を使用することもできます。
ピコプレップの飲み方は、検査前日の夕食後、1時間以上あけて、水150mlを入れたコップにピコプレップ1包を溶かして服用していただきます。その後透明な飲み物を約1250ml(専用の250mlのコップ5杯程度)飲みます。透明な飲み物に関しては、水やお茶に限らず、スポーツドリンクやジュース、スープなど透明なものであれば問題ありません。検査当日は朝9時頃に、前の日と同様にピコプレップ1包を服用したあとに、透明な飲み物を約750ml飲んでいただきます。
下剤服用量はモビプレップよりも少ないものの、検査前日に下剤を服用するため、夜間頻回に排便に行き、不眠や腹痛などの症状が出現することもあります。どちらかというと若年で既往のない方に向いている下剤かもしれません。
当院では、患者様の症状や既往歴、年齢、生活様式(仕事をしているかどうか、家族と一緒に同居しているかどうか)などを参考に、患者様の希望も考慮し、どちらの下剤が適しているか患者様にご提案させていただいています。下剤専用服用室もありますので、自宅で下剤を飲むのが不安な方はご利用可能です。検査前にご不明な点はいつでも相談していただき、安心して検査を受けていただければと思います。