ストレスは胃・十二指腸潰瘍(かいよう)などの消化性潰瘍の原因となるのでしょうか?
一般にヘリコバクタ―・ピロリ菌と、痛み止めや抗血小板薬(血をさらさらにする薬)として広く使用されている非ステロイド抗炎症薬(NSAIDs)が消化性潰瘍の主な原因で、他の原因で消化性潰瘍となることは非常にまれとされています。ストレスが加わると自律神経を介して胃粘膜の血流の低下や胃酸分泌の上昇が生じると言われており、ピロリ菌の感染がある場合などでは潰瘍を発生しやすくなりますが、直接的な原因となるものではありません。
一方で急性胃粘膜病変(AGML)という病気があり、身体的・肉体ストレス、飲酒などが誘因となり、急に胃・十二指腸に多数の潰瘍ができる病気があります。ストレスと消化性潰瘍という意味ではこちらの方が正しいのかもしれませんが、いずれしにても過度のストレス、暴飲暴食は避けた方がいいかと思います。
ピロリ菌の除菌治療や、胃酸を抑える薬(プロトンポンプ阻害薬など)などで適切に治療すれば、消化性潰瘍は治癒します。またNSAIDsを内服する際は、これら胃酸を抑える薬を併用し、消化性潰瘍ができないよう予防しましょう。