これまで潰瘍性大腸炎やクローン病などの炎症性腸疾患についてお話してきましたが、今回はまれな炎症性腸疾患であるMEFV遺伝子関連腸炎について説明したいと思います。
MEFV遺伝子関連腸炎は家族性地中海熱とも呼ばれ、38度以上の周期性発熱と腹膜炎や胸膜炎、関節炎などの漿膜炎を特徴とする遺伝性炎症性疾患で、文字通り地中海沿岸の民族に多いとされています。近年日本でも患者数は増加傾向で、MEFV遺伝子変異を有し、コルヒチンに反応する炎症性腸疾患に類似した症例の報告がみられています。
38度以上の発熱を繰り返し、炎症反応が上昇することが診断の必須項目となっていますが、これらがない非典型例ではMEFV遺伝子解析を行う必要があります。消化管病変に関しては腹痛や下痢、下血といった腹部症状がほぼみられ、36%の症例で肩、肘、手首などの大関節に関節炎症状がみられたという報告もあります。消化管の中でも上部小腸である空腸や大腸に病変がみられることが多く、内視鏡検査では小腸や大腸に潰瘍やびらん、浮腫など多彩な所見がみられます。大腸では潰瘍性大腸炎に類似した所見を認めますが、39%の症例で直腸に病変がないことが特徴的です。治療は多くの症例でコルヒチン投与することで改善がみられ、発熱発作予防にも推奨されています。