前回からの大腸ポリープに対するUnderwater EMR(UEMR)のお話の続きです。
それではどういったポリープにUEMRを行ったらいいのでしょうか。
現在10mm未満のポリープは有効性や安全性の観点からCSPがfirst choiceになっています。しかし10mm未満のポリープでも癌が疑しく、これまではEMRを行っていた症例では、手技の簡便さでUMERはEMRに変わりうる治療法となると思われます。また10~20mmのポリープに関しても、これまではEMRを行っていましたが、UEMRとEMRとの間で治療成績に差がないというばかりか、UEMRの方がEMRより病変を確実に切除することができ、再発も少ないという報告もみられています。
20mm以上のポリープの場合は癌であることが多いため、内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)というより確実性が高いものの、難易度も高くなる治療が広く普及しています。治療成績ではESDに勝ることはありませんが、20mm以上のポリープでも腺腫が疑われる病変や、癌がごく一部で認識でき、一括で切除することにこだわらない病変などは、UEMRが有用といえます。
UEMRはEMRと比較し、出血や穿孔といった合併症の発症割合に差がなく、より大きなポリープを切除することが可能であることから、EMRと同等、病変によってはそれ以上の治療法になる可能性があります。またこれまでESDを行っていたポリープに関しても、UEMRで治療可能な場合があると思われ、今後症例を蓄積し、検討していく必要があると思われます。