最近感染性胃腸炎の患者様が多くみられるようになっています。皆様も一度はかかったこととはあるかと思いますが、改めてまとめてみました。
感染性胃腸炎とは多種多様の原因による症候群であり、細菌またウイルスによる感染性胃腸炎を一括したものであ ると言われています。多くの細菌、ウイルス、寄生虫が主要病原体となり、細菌性のものではカンピロバクター、病原性大腸菌(腸管出血性大腸菌を含む)、サルモネラ、腸炎ビブリオ、ウイル ス性のものではノロウイルス、ロタウイルス、サポウイルス、アストロウイルスなどがあげられます。寄生虫ではクリプトスポリジウム、アメーバ、ランブル鞭毛虫などがあげられますが、まれな病気のため今回は割愛したいと思います。
細菌性としてはカンピロバクターが最も多く、起因病原体が付着あるいは混入した飲食物の経口摂取で感染すると考えられています。カンピロバクターの原因となる飲食物は圧倒的に鶏肉が多く、その他には豚肉、馬肉、牛肉などの肉類があげられます。腸管出血性大腸菌は牛肉や野菜、サルモネラは鶏卵と卵調理品、肉類、腸炎ビブリオは魚介類が有名です。
ウイルス性としてはノロウイルスが最も多く報告されており、ノロウイルスは11月~翌年3月の間に多く発生する傾向があります。ノロウイルスは嘔吐や下痢などの急性胃腸炎症状を起こしますが、多くは数日の経過で自然に回復します。感染経路は主に経口感染(食品、糞口)であり、感染者の糞便、嘔吐物に接触したり、汚染されたカキなどの二枚貝類を生、または加熱不十分な状態で摂食することで感染すると言われいます。
今回はここまでで、感染性胃腸炎の分類(細菌性とウイルス性)を中心に説明しました。次回はそれぞれを掘り下げてお話ししたいと思います。